一緒に考える

「学校に行きたくない」理由を可視化(かしか)しよう

君が「学校に行きたくない」と思うようになったのはどうしてだろう。

「クラスの子がいじめる」とか「先生がいやだ」とか「勉強がわからない」とか、いろいろな理由があるだろう。

その理由を、誰が見てもわかるように可視化(かしか)してみよう。
「可視化(かしか)」というのは、「目で見えるようにすること」という意味だ。

なんとなくもやもやしていることも、目で見えるような形にすると、困っていることや問題点がはっきりしてくるかもしれない。

「敵を知り己を知れば百戦危うからず」という、昔の人が言った言葉がある。
「彼を知り己を知れば百戦殆からず」とも言う。

「孫子(そんし)」という、紀元前(きげんぜん)500年ごろに書かれた兵法書(へいほうしょ)に出てくる言葉だ。
※紀元前(きげんぜん)・・・西暦(せいれき)が始まる前のこと。いまが2021年だとすると、紀元前500年はだいたい2500年くらい前のこと。
※兵法書(へいほうしょ)・・・戦いのヒントが書いてある本。

「敵(または戦う相手)のことをよく知り、そして自分のことをよく知れば、何度戦っても勝てる」という意味だ。

「学校に行きたくない」という気持ちははっきりしているけど、じゃあこれからどうすればいいだろう、と考えると、なにも思いつかないよね。

だから、いまわかっていることを、わかりやすく整理していこう。

いま困っていることや、これがいやだということを誰かに話したり、書き出してみると、「そうか、これがいやだったんだな」と自分でも気づくことが出てくる。

ノートや紙に、いやだと思うことや困っていることを思いつくかぎり全部書いてみよう。
そして、書き出したら、そのひとつひとつに「どうしていやなのか?」「困っているのはなぜか?」「いつごろからそうなったのか?」ということを、書き足していこう。

いろいろ書いてみたことを自分で見なおして、とくにいやだと思うこと、すごく困っていることを、赤ペンでぐるぐるマルをつけてみると、もっとわかりやすくなるかもしれない。

「こうだったらいいのに」とか「あれはダメだけど、これならいいかも」ということがあれば、それも書き出していこう。

いやなこと、困っていることは、ひとりではどうしようもなくても、お父さんやお母さんや先生、それから警察(けいさつ)や議員(ぎいん)の助けを借りれば、解決できるかもしれない。

いやなこと、困っていることは、そのままにしておいてもいいことはない。
「これはいやだ」「こうしたい」と言うことは、君のわがままじゃない。

自分のまわりをよくしたいと思うのは、もちろんいいことだ。
そのためにどうしたらいいか考えるには、まず「いま」を知ることがとても重要(じゅうよう)なんだ。